マイスリー、アモバン、ルネスタ

タイトルに挙げた薬は寝付けない不眠症に対してまず1番目に処方される確率の高い睡眠薬です。
すべて非ベンゾジアゼピン系と呼ばれる分類の睡眠薬です。非ベンゾジアゼピン系睡眠薬とはなにか、それぞれの睡眠薬の特徴と他の睡眠薬との違い、どのような不眠症状に使うのが適しているのかこちらで見ていきましょう。

非ベンゾジアゼピン系睡眠薬とは

1980年頃に使われはじめた第三世代の睡眠薬です。特徴は、それまでの睡眠薬に比べてより副作用と依存性が減り、睡眠作用に特化しているということです。

 

脳内には、体を鎮静させる働きを持つGABA系と呼ばれるシステムがあります。そのなかにベンゾジアゼピン受容体と呼ばれる部位があり、ここに特定の物質がくっつくことで眠気を感じたり、不安がやわらいだり、筋肉のこりがほぐれたりします。

 

これにくっつくのがこの非ベンゾジアゼピン系の薬の有効成分です。ベンゾジアゼピン系受容体という場所はさらにω1ω2という場所に分かれ、ω1にくっつくと催眠作用を、ω2にくっつくと不安をやわらげたり筋肉のこりをほぐす作用が現れます。

 

ひとつ前の第二世代のベンゾジアゼピン系と呼ばれる睡眠薬は、このω1ω2の両方にくっついて効果を発揮していたため、催眠作用+不安軽減+こりのほぐしの合わせ技で人を眠らせます。ただし、ω2にくっついてしまうのが原因で、副作用が増えたり、依存性があったりしました。

 

それを解消したのがこの非ベンゾジアゼピン系と呼ばれる分類の薬です。ω1にだけくっつくことによって催眠作用を持っていながら副作用と依存性が一世代前の薬よりも少なくなっています。

今のところ非ベンゾジアゼピン系の薬はタイトルに挙げた3種類だけです。

 

非ベンゾジアゼピン系睡眠薬の共通の副作用

 

非ベンゾジアゼピン系睡眠薬は一世代前の睡眠薬と比べて副作用が少なくなっていますが、まったくないわけではありません。多く見られるのは、眠気を翌日に持ち越す、一時的に足元がふらついたりするなどです。これらの副作用は、ひとつ前の世代の睡眠薬と同じですが、副作用の重さや出る確率が低くなっています。

 

 

マイスリー、アモバン、ルネスタの特徴

それでは、この3つの同じ系統の薬はどのような違いがあるのでしょうか。以下の表をご覧ください。

薬の名称 一番効果が強くなる時間 作用時間 特徴
マイスリー 飲んでから1時間 2時間半 夜中に目を覚まして、物を食べてしまうがその記憶がない
という健忘の副作用もあるという報告があります。
アモバン 飲んでから1時間 4時間  胃で消化された後、唾液が苦くなって口の中が強い苦味で満たされてしまう副作用があります。
ルネスタ 飲んでから1時間 5時間  アモバンほどではないですが、口の中が苦くなります。また薬の値段が高めです。

 

上の表のようにすべて作用時間が短いので寝付きの悪さを改善するために使われます。ぐっすり眠れないという症状には向いておらず、そういった場合は別の睡眠薬を選ぶか他の治療法を選ぶ必要があります。

 

まとめ

 

マイスリー、アモバン、ルネスタは第三世代の非ベンゾジアゼピン系と呼ばれる睡眠薬です。特徴はそれまでの睡眠薬と比べて副作用や依存性が少ないことです。

 

そのため非常に安全性の高い薬ですが、従来の睡眠薬と比べると不安をやわらげたり、筋肉のこりをほぐす力はないため、これらが原因で眠りにつけないという方に対しては、効果がやや弱いかもしれません。

 

また、作用時間が短いため「寝付きの悪さ」を改善するために使われる薬です。夜中になんども目が覚めてしまう、ぐっすり眠れないという症状には他の睡眠薬を選びましょう。

不眠の症状別の薬についてよければこちらの記事をご覧ください。

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