甲状腺ホルモン障害で眠れない

いらいらしたり、やたらと暑く感じるようになって眠れなくなってしまった方はいませんか?

または眠れないだけじゃなくて憂うつになりやすくなったり、寒がりになったり、体がよくむくむようになってしまった方はいませんか?

 

もしかしたら甲状腺という場所に異常があるせいでその症状が起きているかもしれません。

甲状腺は体のエネルギーの代謝をコントロールしているので、甲状腺に異常が起きるとさっき書いたみたいな症状が起きてしまうことがあります。

 

甲状腺とはなにか、甲状腺に異常が起こるとどうして眠れなくなったりするのか、あなたの甲状腺に異常が起きているかどうかの診断方法や対処法・治療法を詳しく見ていきましょう。

甲状腺、甲状腺ホルモンってなに? どういうもの?

甲状腺はのどの後ろあたりにある器官で、そこから甲状腺ホルモンというものが分泌されています。

人の体の代謝を調節していて、人が活動するためのエネルギーを作り出して体温を維持する働きがあります。

甲状腺ホルモンは成長ホルモンでもあり、成長期の子どもには多く放出されています。

 

甲状腺ホルモンには、トリヨードサイロニンと呼ばれるものとサイロキシンと呼ばれるものの2種類があります。

トリヨードサイロニンはサイロキシンが変化して生み出されますが、両方とも働きは同じです。

ただし、トリヨードサイロニンの方が即効性があって、少量で強力な効果を発揮します。

 

 

甲状腺ホルモンの亢進症と不眠 過剰だとイライラ、暑い、眠れない

甲状腺ホルモンの働きが過剰になる病気は、甲状腺機能亢進症と言われ、代表的なものがバセドウ病です。

1,000人に2~6人ぐらい発症し、男性よりも女性が4~5倍発症しやすいことが分かっています。

 

甲状腺ホルモンの働きが過剰なとき、エネルギーを過剰に生み出すので体温が上昇して暑がりになったり、疲れやすくなる、血圧が上がる、イライラしやすくなるなどの症状があり、結果的に眠れなくなります。

 

そのほかにも甲状腺が腫れてのどが少し太くなる、上のまぶたが腫れたり眼球の周りの筋肉が腫れることで目が突出することもあります。

 

 

甲状腺ホルモン低下症と不眠 不足だとうつっぽい、寒がり、眠れない

甲状腺ホルモンの働きが低下してしまう病気は、そのまま甲状腺機能低下症と呼ばれています。

甲状腺ホルモンの働きが過剰な場合と反対で、体温や血圧が下がって、だるい、憂うつになりやすい、やる気がなくなるといったうつ病のような症状と一緒に眠れなくなります。

 

エネルギーを上手く生み出すことができないので、こちらの場合もいつも疲れやすくなります。

そのほかにも、のどを酷使していないのに声がしわがれたり、性欲が落ちる、生理不順などが起きます。

 

 

甲状腺ホルモン異常の原因はなに?

甲状腺ホルモン亢進症

実は甲状腺ホルモンが過剰に分泌されてしまうのは、免疫異常が原因です。

免疫システムになんらかの異常が発生すると、甲状腺を無制限に刺激する物質が生み出されてしまい、過剰に甲状腺ホルモンが放出されてしまいます。

 

甲状腺ホルモン低下症

こちらも免疫異常が原因で、甲状腺ホルモンがアレルゲンだと認識されて、免疫に攻撃されてしまうことがあります。

そうして甲状腺が破壊されると、甲状腺の機能が弱り、甲状腺ホルモンの量も減ってしまいます。

 

ただし、甲状腺は丈夫な組織で、免疫に攻撃されて破壊されても元々の10分の1の大きさでも残っていればしっかりと機能します。

そのため症状の進行はゆっくりと進んでいき、症状がはっきりと出てきたときにはもう甲状腺の破壊が大きく進んでいるということもあります。

 

 

甲状腺異常の診断方法は?

上に書いたような症状から甲状腺の異常を疑ったときは、血液検査ではっきりと調べることができます。

血中のサイロキシンの量と甲状腺ホルモンの分泌を促す甲状腺刺激ホルモンの量を見ます。

内科や内分泌科といった診療科のある病院で血液検査をしてもらいましょう。

 

 

甲状腺ホルモン障害の治療法は? どちらの場合も薬を使います

甲状腺ホルモンが過剰な場合

甲状腺ホルモンが過剰な場合は、甲状腺ホルモンの合成を抑える薬を飲みます。

チアマゾールやプロピルチオウラシルという薬を飲むと1ヶ月程度で甲状腺ホルモン量が下がり始め、2ヶ月もすると症状が治まってきます。

 

ただし、甲状腺を無制限に刺激する物質は、薬を飲んでから2~3年はなくならないので、その間薬を飲み続けないと再発してしまう恐れがあります。

 

甲状腺ホルモンが低下している場合

逆に甲状腺ホルモンの機能が低下している場合は、チラージンSという薬で甲状腺ホルモンを直接摂取します。

薬を服用している間に甲状腺の機能が回復することもあるので、定期的に検査をして問題がなければ薬の服用をやめることもできます。

 

チラージンSは甲状腺ホルモンを直接摂取するものなので、量が多いと甲状腺ホルモン過剰の副作用が出てしまうことがあります(暑い、イライラしやすい、寝付きが悪くなる、眠れないなど)。

そのときは医師に相談して量を減らしてもらうなどの対処をしてください。

 

 

まとめ

最近眠れなくなったとお悩みの方で、前より暑がりになった、イライラしやすい、ダイエットしてないのに体重が落ちてきたといった症状がある方は、バセドウ病などの甲状腺機能亢進症を疑ってみてください。

 

逆に寒がりになったり、体がよくむくむ、さらにうつ病のような症状と不眠が一緒に出ている場合は甲状腺機能低下症の可能性があります。

どちらの場合も疲れやすいという共通の症状があります。

 

甲状腺ホルモンに異常が起きるのは、どちらも免疫異常が原因で自分の免疫が甲状腺を攻撃してしまったり、甲状腺を無制限に刺激してしまう物質を生み出してしまいます。

甲状腺異常を疑った場合は、血液診断でサイロキシンと甲状腺刺激ホルモンの値を調べることで、はっきりと診断することができますので内科や内分泌科などの診療科で血液検査をお願いしましょう。

 

治療法はどちらも薬を服用することで、薬をある程度の期間飲み続けることで完治させることも可能です。

ただし、薬の効果があまり見られない場合は直接甲状腺を切除するなどの対処も必要になってきます。

 

 

甲状腺ホルモンの異常のような症状が出ているけど、原因が違った方はぜひこちらの記事もご覧ください。

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