統合失調症と不眠

統合失調症という病気を聞いたことがありますでしょうか?

昔は精神分裂病とも言われた精神疾患です。

統合失調症は不眠も起こします。

 

統合失調症は、考えがうまくまとまらなくなる、妄想や幻覚、幻聴が常に見えたり聞こえたりして、現実との区別がつかなくなってしまう病気です。

 

統合失調症は患者さん自身が自分が統合失調症であるということに気が付かないか、気づきにくい、認めにくい難しい病気です。

 

統合失調症とはなにか、不眠との関係性と対策、原因と診断、治療方法について詳しく見ていきましょう。

統合失調症ってあらためてどんな病気? 幻聴、幻覚、妄想だけありません

統合失調症は、脳内でなんらかの情報伝達に障害が発生して起こる精神疾患です。

考えがまとまらなくなり、人と普通の会話ができなくなってしまいめちゃくちゃな会話をしてしまったり、妄想、幻覚、幻聴が起きたり、うつ病のような無気力・無関心になる症状などが起きます。

 

寝付きが悪くなったり、眠りが浅くなったりして、周囲の物音や気配にとても敏感になるのが初期症状として始まる方もいます。

 

発症率は1%で、100人に1人の割合です。

日本が1億2千万人の人口だと考えると患者数は120万人の方が統合失調症だと考えられますから、ごくまれな病気というわけでもありません。

 

統合失調症には陽性症状陰性症状の2つがあるため、その局面によって全然様子が異なります。

病院でも見る局面によってはうつ病躁うつ病と間違えられてしまうこともあります。

 

陽性症状の例:幻聴や幻覚、妄想など

めちゃくちゃな会話、支離滅裂な会話

会話中に度々話が飛んだり、的はずれな回答をしてしまいます。

脳内での連絡がうまくいかなくなったために、話の脈絡が崩れてしまうのです。

 

集中力がほとんどなくなる

本を読んだり人の話を聞くことがとても難しくなって、すぐ他のことに気を取られてしまいます。

 

被害妄想

特になにかをされたわけでもないのに、家族、近所の人、または道行く人に嫌がらせをされていると感じます。

 

統合失調症の人が感じる嫌がらせの例

  • 自分のことを度々見ている。
  • スマホをいじっている。
  • なにかつぶやいている。
  • せきをしている。
  • 走ってそばを通り抜ける。
  • 近くで突っ立っている。
  • シャツやかばんなどの柄で書かれている文字を見せてくる。

これは道行く人みんながみんなを自分に嫌がらせしていると思いこんでいるのです。

外で歩いている人がせきをしてたり、たまたま道で立ってたり、走って横を通り過ぎたって自分への嫌がらせとは感じないと思います。

ですが統合失調症の方はこれらのすべてが自分に向けられていると思い込んでしまいます。

 

思考伝播(サトラレ)

自分の思っていること、頭のなかで考えていることが他の人に筒抜けだと感じることです。

なにか巨大な組織に盗聴や盗撮されていると思い込むこともあります。

 

幻聴、幻覚

統合失調症の方は、幻覚や幻聴に悩まされます。

幻覚や幻聴は現実と区別がつかないほどリアリティが高いので、現実とごちゃまぜになってしまうのです。

統合失調症の方が見る幻覚はとても不快なもので、幻聴はたいていが自分への悪口です。

 

陽性症状をここまで紹介してきましたが、文字だけだとわかりづらいところもあると思いますので、参考動画を用意しました。

 

これは統合失調症の方が陽性症状が出ているときのものを再現した動画です。

 

 

 

陰性症状:うつ病のような無気力、無関心など

感情がマヒする

感情がマヒしてしまい、喜怒哀楽が薄くなって、無表情でいることが多くなります。

 

なにごとにもやる気がなくなる・無関心になる

うつ病のような、やる気の低下や物事への関心の低下が起こります。

 

考えがまとまらない

考えがまとまらないため上手く会話ができなくなって、ボキャブラリーが減ったり、会話のリズムが取れなくなったりして無口になりがちです。

 

自閉

考えがまとまらないこともあり、他者とのコミュニケーションを取りたくなくなります。

自室に引きこもって人との接触を断とうとすることもあります。

 

 

統合失調症の原因はなに?

まだはっきりとした発症の原因は分かっていないですが、遺伝的なものと環境的なものが合わさって発症することが分かっています。

 

環境的なものでは、長期間ストレスを受け続けたり、ストレスへの耐性が弱いと発症する可能性が高まります。

 

生まれたときの父親の年齢が高齢、妊娠時に母親が過度なストレスを受けたり、トキソプラズマに感染することでも発症の可能性が高まります。

 

 

統合失調症はどうして幻聴や幻覚などが起きるの?

統合失調症によって陽性症状と陰性症状が起こるメカニズムは完全には分かっていませんが、可能性が高いのはドーパミン仮説です。

 

やる気や快感をコントロールするドーパミンというホルモンの働きが過剰になると妄想や幻覚、幻聴が発生します。

実際にドーパミンの働きを抑える薬が陽性症状に有効であることが分かっています。

ドーパミンの働きを強制的に高める覚せい剤を使ったことがある人は、統合失調症のような幻覚、幻聴を体験するのでドーパミンが原因のひとつである可能性は高いのです。

 

 

統合失調症の診断方法+似ている他の病気は?

統合失調症の診断基準は、WHO(世界保健機関)では次のように決めています。

下記の症状が、1カ月以上続いてみられる。

1.次のうち1項目以上(明白でなければ2項目以上)

a.思考化声、思考吹入、思考奪取、または思考伝播。

b.支配、影響、無抵抗にされるという妄想(身体・四肢の動きや特定の考え、行動、感覚にまつわるもの):妄想知覚。

c.患者の行動を絶えず論評する幻声、患者について話し合っている幻声、または体の一部で発する幻声。

d.一般教養では不適切・不可能な性質の頑固な妄想、例えば、宗教や政治的な身分、超人的な力や能力(天候を支配する、別世界のエイリアンと交信できる、など)。

 

2.あるいは、次の2項目以上

a.あらゆるタイプの頑固な幻覚:浮動性または未完成の妄想や優格観念(感情に強く裏づけられた観念で,その人の思考や行動を持続的に支配するもの)を伴っていたり、数週または数カ月以上、毎日続くことがある。

b.思考連合の途絶や改ざん(滅裂思考、的はずれ会話、新語造成)

c.緊張病性の行動(興奮、蝋屈症、拒絶症、緘黙症、昏迷など)

d.陰性症状(著しい無感情、会話の貧困、感情反応の鈍化・不調和、通常は社会的引きこもりや社会的活動の低下を伴う):うつ病や神経遮断薬によらないことが明瞭なもの。

e.人格行動にみられる明らかな、持続性の質的変化(関心の喪失、無目的、無為、社会的な引きこもり)

引用元:姫路 心療内科|前田クリニック 統合失調症の診断基準

 

上に当てはまれば統合失調症の可能性は高いですが、統合失調症と似た症状のある病気はたくさんあるので注意して区別しないといけません。

うつ病や躁うつ病のうつ状態は統合失調症の陰性症状に似ているところがありますし、躁うつ病の躁状態にも統合失調症のような症状があります。

不眠を起こすうつ病と間違えやすい他の病気

うつ病と思ったら実は「躁うつ病」かも

 

ですが被害妄想や自分を責めるような幻覚や幻聴が多い場合は、統合失調症の可能性が高いです。

 

 

統合失調症で眠れない? 統合失調症と不眠の関係

統合失調症になるとほぼ確実に不眠も起きます。

特に陽性症状が起きているときは、幻覚や幻聴、妄想でいつも脳が興奮しているので不眠になりやすいです。

 

陽性症状の原因と考えられているドーパミンは、体を興奮させて眠気を覚ます作用があるので、統合失調症で起きる不眠対策には、統合失調症そのものの治療が大切です。

統合失調症の治療薬には、眠気を起こすものが多いので薬での治療が不眠症対策のメインになります。

 

 

統合失調症の治療法は? 統合失調症で起きる不眠対策は?

薬による治療

統合失調症の治療は主に薬を使います

統合失調症は、今のところ症状の予防のために一生薬を飲み続ける必要があります(現代医学では完治しません)。

ですがと精神療法などを合わせて行うことで普通の生活を送ることはできます

統合失調症の専門は精神科なので、専門の病院に行ってしっかりと治療を受けましょう。

 

統合失調症の治療に主に使われる薬は、抗精神病薬といって、ドーパミンの過剰な働きを抑えるものです。

そのほかに眠れないときや不安なときに睡眠薬や抗不安薬が用いられます。

統合失調症の治療に使われる薬について

 

ストレス対策をする

まずは薬で症状を抑えるのが大前提ですが、その次にストレス対策も大切です。

ストレスがたまると症状が再発したり、悪化する可能性も高くなるので、科学的に効果があると分かっている方法できちんとストレスを発散して、ストレスに強い身体を作りましょう。

詳しい方法はこの記事で紹介していますので、ぜひご覧ください。

ストレスで眠れないときは6つの解消法で発散!

 

サプリメントで足りない栄養を補給する

統合失調症の治療には抗精神病薬という専門の薬が絶対必要ですが、どうしても眠れない日が続くときに睡眠薬に頼らずサプリメントを使うというのも手です。

 

睡眠薬は即効性はありますが、段々効き目が悪くなってきたり、副作用や依存性の問題があります。

サプリメントは即効性がないかわりに副作用も依存性もないですし、睡眠をサポートする成分と一緒にストレスをやわらげてくれるGABA(ギャバ)や不安をやわらげてくれるセロトニンの材料のトリプトファンが入っているものもあります。

 

不眠だった私の妻もグッドナイト27000という睡眠サプリを使ったら1ヶ月くらいかかりましたが、よく眠れるようになって、前より疲れが取れるようになりました。

体験談も書きましたので、良かったら見てみてください。

眠れた? 不眠の妻がグッドナイト27000を使ったレビュー

 

 

まとめ

統合失調症は、妄想、恐ろしい幻覚、自分を悪く言う幻聴などが見えたり聞こえたりする陽性症状と感情がマヒして無表情になったり、いろんなことに興味ややる気をなくしてしまうなどの陰性症状の2つの面がある精神疾患です。

 

統合失調症になる原因はまだはっきりは分かっていませんが、遺伝的なものにストレスなどの環境要因があわさって発症することが分かっています。

 

症状が起こるメカニズムもまだ完全には解明されていませんが、脳内で興奮や快感などをコントロールするドーパミンというホルモンの働きが過剰になることで妄想、幻覚、幻聴が起きると考えられています。

 

ドーパミンの働きが過剰になることで不眠も起きるので、統合失調症で起きる不眠症対策には薬と精神療法を組み合わせた統合失調症の治療が一番大切です。

統合失調症は自然には治ることのない病気ですが、逆にきちんと薬を飲むことで普通に生活ができるようになる病気です。

専門の精神科やメンタルクリニックなどでしっかりと治療を受けましょう。