周期性四肢運動障害

あなたは家族に寝相が悪いと指摘されたことはありませんか? そして、眠りが浅くて夜中に目が覚めてしまったり、朝起きたらなぜか足が疲れているなどの症状が一緒にあったりはしないでしょうか。

 

そんなときの眠りの浅さや昼間の眠気は周期性四肢運動障害という病気が原因かもしれません。周期性四肢運動障害は、睡眠時に本人の意志とは関係なく手足がぴくぴくと動いたり、足を曲げたり伸ばしたりすることを一夜の間に何回もして眠りの質が悪くなってしまう病気です。

 

この周期性四肢運動障害の原因や治療法などについて詳しく見ていきましょう。

周期性四肢運動障害ってなに?

周期性四肢運動障害は、別名睡眠時ミオクローヌス症候群とも呼ばれる病気です。ミオクローヌスとは、自分の意志とは関係なく起こってしまう動きです。たとえば、けいれんなどです。

 

周期性四肢運動障害では、睡眠中に自分の意志とは関係なく手足がぴくぴくと動いたり、足を曲げたり伸ばしたりを何度もしてしまいます。本人は寝ているので自覚はないですが、他の人から見たら寝相が悪いと見られることがあります

 

また、気づいていなくても身体を動かしているので眠りが邪魔されてしまい、朝起きたときに疲労感が抜けなかったり(特に足が重い感じがする)、夜中に目が覚めてしまったり、本人は夜しっかり眠れているつもりでも日中に眠気を感じやすくなってしまいます。

 

 

夜寝るときに、脚に問題があるといえば・・・

夜寝るときに脚に問題があるといえば、以前むずむず脚症候群という不眠の原因になる病気を当ブログで紹介しました。

足がむずむずして眠れない 不快なレストレスレッグス症候群

 

むずむず脚症候群は、夜寝ようとしてベッドで横になると脚のなかを虫が這うような不快感を覚えたり、足が火照っているような感覚になったり、とにかく足を動かしていないとむずむずするという症状が出る病気です。

 

実は、このむずむず脚症候群と周期性四肢運動障害には密接な関係があり、原因も同じところにあると考えられています。

 

 

周期性四肢運動障害の原因はなに?

まだはっきりとは分かっていませんが、ドーパミンというホルモンの働きが低下することによってこの症状が起きることが分かっています

 

また、鉄分不足になっても同様の症状が起きます。その理由は、鉄分がドーパミンや他の脳内ホルモンの合成に関わっているからです。鉄分が不足するとドーパミンの合成量も減ってしまうのです。

 

 

周期性四肢運動障害の診断法

周期性四肢運動障害は、寝ようとした時に足に不快感があるむずむず脚症候群と違って寝ている間に起きていることなので自覚することができません。

 

そのため診断には睡眠ポリグラフ検査というものが必要です。寝相が悪いと言われたことがある、しっかり寝ているはずなのに眠い、朝起きたら足が疲れていたり違和感があるなどの症状があって周期性四肢運動障害の可能性がある場合は、専門の病院で行ってもらいましょう。

 

睡眠ポリグラフ検査とは、一泊二日で病院などで睡眠を取ってもらい、それを専門家が見て夜間の睡眠状態をチェックします。調べる項目は非常にたくさんあり、必ずしもすべて見るわけではありませんが、脳波や眼球の動き、呼吸状態、心電図、あごの運動、四肢の運動などを見ます。

 

その結果、睡眠中に1時間あたり15回以上四肢の運動が確認され、日中に眠気があって日常生活に問題が起きている場合に周期性四肢運動障害と診断されます。

 

終夜睡眠ポリグラフ検査の費用は、保険適用の3割負担で15,000円~20,000円程度です。少し高いですが、周期性四肢運動障害だけでなく睡眠時無呼吸症候群やナルコレプシーその他の睡眠障害についても検査を行うことができるので、眠りに問題を抱えている方はやってみる価値があります。

 

 

周期性四肢運動障害の治療法は?

周期性四肢運動障害はドーパミンの働きが低下していること、そして鉄分不足によってドーパミンの合成量が減っていることが原因と考えられているので、これらに対応することで治療を行います。

 

鉄分の補給

鉄分は主に食事から補給しますが、サプリメントを使うのもおすすめです。鉄分は吸収率の高いヘム鉄というものと吸収率の低い非ヘム鉄の2種類があります。

 

ヘム鉄は動物性の鉄分なので、レバーや豚や牛の赤身肉、あさり、しじみといった貝類などを積極的に食べると良いでしょう。また、鉄分はビタミンCと一緒に摂取することで吸収率がさらにアップするので、ビタミンCもあわせて摂取するようにしましょう

 

ドーパミンの働きを高める薬を使う

ドーパミンの働きを高める薬は、病院で処方されます。ビ・シフロールやニュープロパッチ、レグナイトといった薬が使われます。また、ドーパミンの働きを高める薬ではありませんが、症状を抑える対症療法としてリボトリールという薬が使われることもあります。

 

リボトリールは、身体の鎮静系のシステムをコントロールするGABAのシステムに働きかけ手足のけいれんを抑えることができます。

 

 

まとめ

周期性四肢運動障害は、寝ている間に無自覚に手足がぴくぴくしたり、足を曲げたり伸ばしたりするなどひっきりなしに足を動かしてしまう病気です。その結果、眠りが邪魔されて夜中に目を覚ましてしまったり、朝だるさを感じたり(特に足の)、日中に眠気を感じたりします。

 

もしも家族や他の人に寝相の悪さを指摘したり、上に書いたような症状がある場合は疑ってみる必要があります。しかし、自覚症状がないので自分ではわからないため、専門機関で終夜睡眠ポリグラフ検査というものを受ける必要があります。

 

終夜睡眠ポリグラフ検査は保険適用で1~2万円かかるので少々高いですが、眠りが浅くて日中に眠気を起こしたり、だるくなったりする症状の原因が分かって改善できることを考えれば安いものです。周期性四肢運動障害だけでなく他の睡眠障害も分かります。

 

周期性四肢運動障害の原因は現在のところドーパミンの働きが低下していることや鉄分不足でドーパミンの合成量が減っていることだと考えられています。

 

周期性四肢運動障害を治療するには、まず食事やサプリメントからしっかり鉄分を補給して、そのうえで専門医にドーパミンの働きを改善する薬を処方してもらいましょう。