オーバードーズ

最初にお断りします、こちらの記事はODしても死ぬわけではないから大丈夫だと言うとか、ODを勧めることが目的ではありません。

ODは非常に危険な行為でやってはいけない行為です。

 

そのうえで、この記事はどうしても眠りたいのに、寝て現実から逃げたいのに、薬が効かない場合に「いっそODしてしまおうか・・・」と考えている人に向けて書いております。

あらかじめご了承ください。

 

うつ病やその他の精神疾患などで、不眠に困っている人は多いと思います。

ときにはどうしても眠りたい、眠って逃げたい、でも眠れない、だったらいっそODして寝てしまおうか・・・と考えたり、実際にやったことがある方もいるでしょう。

 

どうしても眠れないときにODをすることの是非ややるならどのようにするのが「安全」(危険性を最小限に抑えられるか)なのかをこの記事で見ていきましょう。

ODとは? ODをしてしまう理由

こちらの記事を見ていただいている方にはあらためて説明する必要はないかもしれませんが、ODとはOver Doze(オーバードーズ=大量服薬、過料服薬)のことです。

 

ODというと薬を数10錠~100錠単位で飲むものと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、通常処方されている量を上回って一度に薬を飲むことがODです。

たとえば、就寝前に薬を1錠処方されているのに、眠れないからと2錠服用するのも広い意味ではODになります。

 

なぜODをしてしまうかは人によって理由が様々です。

たとえば「死にたい」からする人もいれば、自分に構ってほしくてわざと自分にダメージを与えたり、自分を罰する目的であったり、上に書いたように辛い現実を寝て一時的に忘れたいのに睡眠薬が効かないという理由でODをする人もいます。

 

人によっては上に書いたように効果が足りないからと普段から飲む量を勝手に増やし、複数の病院に通って薬をもらってどんどん飲む量を増やしてしまうある種の中毒になってしまいODをする人もいます。

 

 

ODの危険性 ODするとどうなるの?

ODはいうまでもなく危険な行為です。

処方量というのは体の安全性を考慮して、薬ごとにこれぐらいまでと決まっているので、それを超える量の薬を飲むことは当然体に悪影響を及ぼします。

 

精神疾患の方に処方される薬は主に、気分安定薬、抗精神病薬、抗うつ薬、抗不安薬、睡眠薬といった種類の薬がほとんどです。

これらの薬は共通して鎮静作用を持っていることが多く、ODをすると鎮静作用が過剰に発揮されて意識が朦朧としたり、意識を失います。

 

場合によっては後遺症が残ってしまう可能性も十分にあります。

薬の成分は肝臓や腎臓で分解され、脳で作用を発揮するので内蔵や脳にダメージがいってしまうこともあるのです。

 

ただし、今現在使用されている精神科系の薬でODをしたとしても命まで落としてしまうものはあまりありません。

たとえばマイスリーという睡眠薬の致死量はラットを使った実験ではオスの場合で1kgあたり1,030mgです。

 

人間に当てはめると60kgの男性の場合マイスリーの致死量は61,800mg。

1錠10mgのマイスリーを処方されているとして致死量は6,180錠です。

現実的に考えて一度に飲める量ではありません。

 

実際にODをして意識が朦朧とするなか家族や友人などに発見され救急車に運ばれると胃洗浄といって鼻から管を通されて胃の中を洗われます。

 

私の妻はODの経験が複数回ありますが、あるときは自分でODしたあとに「あ、これやばい」と思って救急車を呼び、胃洗浄を受けました。

そのときは意識があって、鼻から管を通されてとても苦しい思いをしたそうです。

 

またあるときは意識を失って10数時間眠り続け、一度起きても薬が抜けてないのでだるい状態が2日は続きました。

 

このようにODをすると非常に苦しい思いをするばかりか、後遺症の危険性もあるためODはしないほうが良いです。

 

 

それでもどうしても眠りたいんだ! 「安全」なODを考える

ここまでODの危険性を語ってきましたが、ここまでは大前提のお話でした。

「そんなことは分かっている! でもどうしても眠りたい! 寝て逃げたい!」という人もきっといらっしゃると思います。

 

ODは勧められるものではありませんが、私は実体験から時にはODをすることもいたしかたないのかなとも考えています。

私の妻は躁うつ病という病気で、うつ状態になると「死にたい」、「消えたい」という思いが頭にこびりついて離れないときがあります。

 

そしてそれがうつ状態の症状であると本人は頭で理解していても、それでもべったり張り付く考えに耐えきれなくなってしまうときがあるのです。

 

そういったときに妻はODをします。

普段の量の薬ではこの酷いうつの症状に耐えられないけど、一度寝てしまえばある程度楽になれることを本人が経験から知っているからです。

 

うつの症状などでは辛い思いが頭から離れないときがどうしてもあります。

ODは体に悪いからやめなさいというのは簡単ですが、厳しくとがめるのは逃げ道を潰してしまうことに他なりません。

 

「自殺に走るぐらいなら、ODをしてでも寝てしまって一時的にでも現実から逃げてしのいでほしい」というのが私の考えですが、これから書く条件があってこそです。

この条件というのが私の考える「安全」なODです。

 

OD自体が危険な行為なので安全など元々存在しませんが、死なない・後遺症が残らないことを一番に考えています。

 

ODするなら睡眠薬か抗不安薬を

ODに選ばれる薬は睡眠薬に限らず、場合によっては気分安定薬や抗うつ薬、抗精神病薬といった薬を使ってしまう可能性もあります。

 

先ほど「最近の薬をODしても死んでしまうことはあまりない」と言いましたが、睡眠薬・抗不安薬以外の精神科の薬はODすると命の危険性があるものや後遺症が残ってしまう可能性が高い副作用あるものも少なくありません。

 

たとえば躁うつ病などの治療に使われるラミクタールやテグレトールという薬は、大量に服用すると重篤な皮膚障害が起きる可能性が高まりますし、トフラニールやアナフラニール、トリプタノールといった古い抗うつ薬の場合は心臓に悪影響がおよんで死亡してしまう可能性があります。

 

そこで私は妻にODするなら睡眠薬か抗不安薬を使うように言っています。

今使われている睡眠薬や抗不安薬のほとんどはODしても死んでしまうことはありませんし、数10錠~100錠などの多量を服用しなければ後遺症が残る危険性は低いです。

 

ただし、中には危険な睡眠薬もあるので、注意が必要です。

以下に絶対に選んではいけない薬を例として挙げておきます。

絶対にODしてはいけない薬

気分安定薬すべて

  • リーマス
  • デパケン
  • ラミクタール
  • テグレトール

抗うつ薬すべて

  • トフラニール
  • トリプタノール
  • パキシル
  • ジェイゾロフト
  • ルボックス、デプロメール
  • レクサプロ
  • リフレックス、レメロン など

抗精神病薬すべて

  • コントミン、ウインタミン
  • レボトミン、ヒルナミン
  • リスパダール
  • セロクエル
  • ジプレキサ
  • クロザリル など

睡眠薬

  • ラボナ
  • イソミタール

市販の睡眠薬

  • ナロンエース
  • ウット
  • 奥田脳神経薬

 

飲む量は勢いに任せずに、通常量の2倍まで

ODによる身体への危険性は飲む量が増えれば増えるほど高くなります。

危険性が高い薬以外の薬でもODの量が多ければ多いほど危険性も高くなります。

 

私の妻はODをするときレキソタンという抗不安薬を使います。

頓服として処方されており、1日2錠まで、1錠5mgです。

そのため私が妻に許しているのは、一度に4錠までです。

これで20mgになりますが、レキソタンの添付文書(薬の説明書のようなものです)を見ると、

 

●神経症・うつ病の場合
通常、成人にはブロマゼパムとして1日量6~15mgを1日2~3回に分けて経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

引用元:レキソタン-医薬品医療機器情報提供ホームページ

 

とあります。

通常は15mgまでのようですが、症状によっては医師の判断で増量する場合もあるようです。

薬の添付文書はインターネットで検索すれば出てくるので、お使いの薬が通常最大何mgまで使われるかを調べた上でそれを上限とするのがより安全でしょう。

 

飲む薬は一種類だけ、お酒を絶対に併用しない

とにかく寝て現実から逃げたい、一時的に忘れたいと思ってODをする方でより効果が高くなるだろうと思って複数の薬を飲もうとしたり、お酒を併用しようとされる人がいるかもしれません。

 

ですがこれは「安全」性という面で見れば最悪なので、絶対にやめてください。

複数の薬を飲むと想定外のできごとが起きるかもしれませんし、お酒と精神科系の薬はお互いの作用を倍増してしまうものが多いです。

 

特にお酒のアルコールは作用が高まると呼吸が抑制されてしまい、窒息死してしまうおそれもあるので、絶対併用しないようにしてください。

 

 

なるべく「安全」なODと言いましたが、最大限予防しよう

ここまでODをするならどういう方法が「安全」なのかを書いてきましたが、何度も言いますが一番良いのはODしないことです。

ODはどうしようもなく追い詰められてしまったときする手段で、ここからはなんとかODしたくなるまで追い詰められないための方法について書いていきます。

 

普段から家族や友人など自分の話を聞いてくれる人がいるなら話す

ODをしたいという衝動は一過性のものであることがあります。

ODをしたくなってしまうときは「今辛い、逃げたい、寝たい、ODしかない」とかなり視野が狭まっている状態です。

 

もしも家族や友人など自分の意見を否定せずに辛い気持ちを吐き出せる相手がいるのであれば、吐き出してみましょう。

ODしたいという衝動的な気持ちが落ち着いて、通常時の薬だけで辛い思いを乗り切れることもあります。

 

また、日頃から辛い気持ちを吐き出すことは、ODしたくなるまで追い詰められるという状況の予防にもなります。

 

ストレスを溜め込みすぎない、発散する

体調が悪くないときには、積極的にストレスを発散して、さらにストレスを溜め込みすぎない体質になるようにしましょう。

ストレスがかかりすぎるとODしたくなるまで追い詰められてしまいます。

 

ストレス発散には、悲しい物語や感動的な物語を見て感情的に涙を流したり、脂肪分を含んだ美味しい食べ物(ステーキでも良いですし、ケーキでも良いです)を食べたり、ストレッチでも良いので身体を動かすことなどが科学的に効果があると認められています。

 

また、精神疾患の方はあらゆる物事に対してネガティブな見方を持っていることがあり、そのネガティブな物の見方がストレスにつながっている場合があります。

そういった過剰なネガティブ視点を直すことで、ストレスを溜め込みにくい体質に変わることができます。

 

詳しくは以下の記事をご覧ください。

ストレスで眠れないときには、科学的に証明された5つの方法+αで対策

 

 

まとめ

ODは言うまでもありませんが危険な行為です。

最近の薬はODをしても命の危険性はないものが多いですが、なかには死亡する危険性があるものもあればそうでなくても後遺症が残ってしまう危険性もあります。

 

とは言うものの、「どうしても今辛い、耐えられない、逃げたい、眠りたい」という頭から離れない思いからODを考えてしまうのは致し方のないこととも言えます。

こういった辛い思いから自殺を選んでしまうよりかはるかに良いです。

 

ただし、もしこういった現実から一時的に逃れるためにODをするなら危険性の低い睡眠薬や抗不安薬を使う、量は添付文書に書いてある最大量までにする、ODする薬は一種類までで絶対にお酒と併用しないことで身体への負担を最大限に減らしましょう。

 

もちろん一番良いのはODをしないことです。

普段から家族や友人などに辛い気持ちを話せるのであればそうすることだけでも追い詰められることは減りますし、ODへの気持ちは衝動的なものなので辛い気持ちを吐き出せばなんとかODなしで乗り越えることもできるかもしれません。

 

体調が悪くないときには普段からストレスをしっかり発散することを心がけて、ストレスを溜め込みにくい体質を作ることもとても重要です。